現代の動物実験によって引き起こされている問題

近年、ペットのありかたがより身近になり、動物の福祉の観点からさまざまな考え方が生まれました。一方で動物実験は、主に医薬品や化粧品、また食品添加物などの安全性を確認するために行われます。これらは、人間の口に入ったり皮膚に塗布したりするものなので、安全性が保証されないと認可が下りないため、必要な実験です。

しかし、動物に苦痛を与えることが明らかにもかかわらず行われる実験は、あきらかに虐待なのではないかとの意見があります。また、教育現場や医療の実習などでも、実験動物に対する扱いが問題となって、必要以上の数の動物実験をしているのではと批判されることもあります。実験用の動物の飼育環境も、最低限のスペースや世話しか与えられないと、生活の質の低い、著しくストレスを与えるようなものになってしまいます。これらの問題に対する解決策として、培養した皮膚などを使用した代替実験法や、動物の苦痛をできるだけ少なくする実験方法や安楽死処置、また飼育環境の向上などが提案されています。

また、化粧品に動物実験が必要な成分を使用せず、そうした商品に表示をすることで、動物実験を削減する意思表示をしている企業も世界中で増えています。これからの、文化的な生活とアニマルライツの問題は、ただ動物の権利を主張することにとどまらず、実験のありかたを見直す方向で解決策を探っています。